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関東で装備やってます。PJメインで他にODAとレンジャー。完全再現を目指したいけどお金がない…。
サバゲ―はあんまり行きません。タイミングなくてお座敷で満足しています。
現代であればミリタリーネタ全般好きです。

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Posted by ミリタリーブログ at

2017年09月30日

17th Special Tactics Squadron

異色なSTSとして単体で取り上げます。第17特殊戦術中隊です。
ついでにこの装備にも興味があるので、装備についてもちょっと書こうと思います。
(※今回の記事ではTACPを班として扱うとともに、TACPに所属するJTACやALOなどの隊員個人を指す言葉として使用します。混乱しないようにお願いします。)

17th Special Tactics Squadron。フォートベニングに本部を置く空軍特殊のSTSです。


元々は17th Air Support Operations Squadronとして陸軍の第75レンジャー連隊専属の航空支援作戦部隊でした。ASOSの部隊はSOCOM、AFSOCの隷下ではないため彼らは特殊部隊ではありません。
しかし、75レンジャーが特殊部隊でSOCOM、USASOCの隷下にあるのに対し、17th ASOSがSOCOMの指揮下にないのは非効率だろうということで、まず2008年に17th ASOSがAFSOC隷下の720th Special Tactics Groupに編入されます。これにて17th ASOSは命令系統上の「特殊部隊」に仲間入りしました。
また2013年に17th ASOSは17th Special Tactics Squadronに改編されます。もちろん所在地やメンバーが大幅に変わったわけではなくただ単に名称が変わっただけですが、部隊名に「Special」とついたことにより名実ともに特殊部隊の仲間入りを果たしました。

2013年にフォートベニングにて17th STSへの改編を記念する式典の様子。右から2番目の黒いベレーの隊員が17th STSの隊員。その隣の赤いベレーの中佐は17th STSの隊長、さらに左の大佐は上部組織である720STGの指揮官だと思われる。

17th STSを構成するメンバーは他のSTSに比べて非常に異色です。
17th STSを構成するのは特殊戦術航空統制班(SOF Tactical Air Conrtol Party,SOF TACP)、航空連絡士官(Air Liaison Officer)、そして特殊作戦気象観測官(Special Operations Weather Technician,SOWT)です。見ての通り標準STSの主要メンバーであるCCTやPJがいません。それもそのはず、ASOSだった17th STSは、STSに改編されるにあたってCCTやPJを編入することなく、元々保有していたTACPを特殊作戦にも対応することができるSOF TACPに生まれ変わらせることで特殊作戦能力を獲得しました。

SOF TACPとはASOSに所属するTACPがハルバートフィールドにあるSpecial Tactics Training SquadronでCCTやPJと共に特殊作戦に必要な体力や知識を学び、僅か5%の狭き門をくぐり抜けた者がなることができる特殊作戦能力を保持するTACPです。SOF TACPは特殊作戦に従事する特殊部隊として扱われ、SOF TACPの大半の隊員は17th STSに配属されます。

17th STSは約60名で構成され、指揮官は中佐です。この隊長である中佐は他のSTSとの兼ね合いからかSTOが任命されるようです。
第75レンジャー連隊はフォートベニングの他に、第1大隊がハンターアーミーエアフィールドに、第2大隊がジョイントベース・ルイスマコードに分散配置されています。
これに従い17th STSも第1分遣隊をハンターアーミーエアフィールドに、第2分遣隊をジョイントベース・ルイスマコードに配置しています。1つの分遣隊は1人のALOと13人のJTACやROMADで構成されています。この部隊配置を見ても第75レンジャー連隊と密接に連携を取っているのが分かりますね。

17th STSの装備は第75レンジャー連隊専属ということもあり、かなりレンジャーの装備に似通っています。
ここから先は上にあるAFSOCが公開した17th STSの動画のキャプチャを見ながら装備を見ていきたいと思います。


一枚目から情報量が多いですね。手前の隊員からいきましょう。ヘルメットはマリタイムさらにヘルメットカバー付き。G3のコンシャツにコンパン、キャリアはAVSとレンジャーの装備と全く一緒です。さらにAVSのロープロファイルベルトまで装着、ポーチ類はレンジャー御用達のイーグル製V2ラジオポーチとメディカル、ダンプポーチも付けています。銃はMk18 mod1にLA-5とWMX200、オプティクスは553。
左の人はMBAVにビーバーテイルを背負っています。当たり前ですけどみんなたくさんアンテナ生やしています。


左の人はG3のフィールドシャツ、右の人はACのフィールドですね。どっちもビーバーテイルにたぶんPRC-117Gを入れているんでしょう。やっぱりマリタイムにヘルメットカバーは必須のようです。


4人のTACPが写っています。左の人はACHにイーグルのヘルメットカバー、それ以外はマリタイムにヘルメットカバーです。ていうか左の人はMBAVですし全体的に少し古めですね。右から2番目の人はKDUを胸につけています。


KDU付けた人が隠れちゃってますが右側のアップ。Mk18 mod1にEXPSとCTRストックを付けています。レンジャーは553が多いのでEXPSは珍しい。この人マグポーチもイーグルじゃなくてTYRのようなので特徴的ですね。


右の人はG3フィールド、左はPCU Level5です。2人ともブルドッグタクティカルのポーチにPRC-117Gを入れています。
左の人が使用しているのはSafran社製のJIM LRというレーザーデジグネーターです。


4人のパーティーを組んでいます。右奥の人はACHですね。
寒い時に撮ったのかECWCSを着ています。ECWCSはPCUの一般部隊用みたいなやつですが、レンジャーでもよく使用例が見られます。
左奥の人が銃を構えていますが、レイルが長いのでM4 Block2でしょう。見える銃は2つとも553を付けています。
中央の隊員はヘルメットにMPLS。やっぱりMPLSは空軍で人気ですね。


みなさんビーバーテイルを装備。見える限りG3のフィールドシャツですね。キャリアは全員AVS。
左の人はイーグルのアドミンポーチを横に装着、ハンドウォーマーも着けているようです。
中央の隊員は胸にアドミン、マガジンポーチもイーグル製だと思います。
右奥の人はRGのMAP背負っていますが、パンツがUCPですね。STSかどうか怪しい。その左の人は全身UCPなので確実に陸軍一般の隊員でしょう。

ここまでの映像見れば皆さまだいたいお分かりでしょう。つまりマリタイムにヘルメットカバー、G3にAVSを装着してビーバーテイルを背負えば完璧です!というか完全にレンジャー装備ですね。
それでも特徴的なのはやはりアンテナでしょうか。空軍らしくみんな前から後ろからアンテナを生やしています。レンジャーも個人に無線機が支給されているので、彼らもアンテナを生やしていますが、STSはだいたい部隊間の152用と航空機などと連絡を取る117G用にという感じで2つアンテナを装備していることが多いです(もちろん152デュアルや152と148のパターンもある)。

ここから先は自分がレンジャーの画像を漁っている中で「これSTSじゃね?」と個人的に推測した写真を貼ります。上記のようにレンジャーとSTSを見分けるのは非常に難しいので、もしかしたらレンジャーのラジオマンかもしれませんが、そこはご愛嬌ということで。

まずはこちらの画像。


左の2人をググッと拡大。


どうでしょう。少し前の画像なのでキャリアはMBAVですが、2人ともアンテナを2つ装備しています。また左の隊員はビーバーテイルの中にマンパックラジオを入れている感じがしますし、右の人は胸にタブレットみたいなものを装備しています。STSっぽい気がしませんか?





この2つの写真も陸軍のラジオマンとしては珍しくSATCOMアンテナなんて装備しています。しかし空軍の隊員なら納得がいくと思います。航空機と交信するためには大きなアンテナを持ち込んだ方が繋がりやすいですからね。


この隊員はかなり重装備。ミステリーランチのナイスフレームにHigh Ground GearのPRC-117Gポーチ。さらにその上や下にもポーチを装備しています。そしてNVGマウントは空軍御用達のANVIS!
まあレンジャーでもANVISの使用例はあるんですが、確かナイスフレームは他のSTSでも使っていたような気がするんですよね。

とまあこのように、見分けがつかないほど17th STSとレンジャーは密接に関わっています。
設立経緯こそ異色の17th STSですが、他のSTSに引けを取らない部隊です。もっと写真を公開してくれえ。

ところでレンジャー装備の皆様、ラジオ背負って17th STSはいかがですか?
  


Posted by POPE at 14:43Comments(0)部隊解説

2017年09月26日

Air Support Operations Squadron

前回の記事でSTSについて書きました。STSは「特殊」つまりSOCOM隷下の部隊に対して空軍の能力を提供するのが任務ですが、では一般部隊に派遣されるのはどの部隊になるのでしょう。
答えは前回も書きましたが、Air Support Operations Squadron,ASOSです。日本語では航空支援作戦中隊とでも訳しましょうか。

ASOSの主任務は陸軍一般部隊と共に行動し,航空支援を行う航空機及び砲兵部隊の火力を誘導することです。陸軍の部隊が戦闘中に航空支援を要請するときは、派遣され一緒に行動しているASOSのJTACなどが上空の航空機を誘導し目標を指示します。

ASOSは戦術航空統制班(Tactical Air Control Party,TACP)、航空連絡士官(Air Liaison Officer,ALO)、統合末端攻撃統制官(Joint Terminal Attack Controller,JTAC)、ラジオマン(Radio Operator Maintainer and Driver,ROMAD)などで構成されます。STSと違いPJは所属していません。戦闘時に負傷者が出れば陸軍部隊のメディックが処置する他はありません。またCCTも所属していないので前線での航空管制などはできません。ASOSの任務はあくまでも火力誘導に限られます。

混乱してほしくないんですがTACPはあくまでもParty、つまり班です。またJTACは認定資格であり、隊員はこの資格を取得することでJTACと呼ばれるようになります。またJTACやJTACの資格を取る前の隊員は空軍のMOS(AFSC)に合わせて1C4や1C4X1と呼ばれたりもします。そしてALOやROMADはその隊員自身の役職を表す単語です。ALOやJTAC(1C4)、ROMADが何人か集まってTACPを構成します。
ついでにJTACとROMADの違いも整理しておきましょう。彼らのすることはほぼ同じで航空機の誘導や航空支援の要請をします。装備もあまり変わりません。
しかし最大の違いは「Cleared HOT」の指示を航空機に出せるかどうかです。Cleared HOT、つまり航空支援を要請し、最終的に爆弾投下を指示できるのはJTACだけになります。ROMADはできません。
よって基本的な役割分担としてはROMADが戦闘地域まで航空機を誘導し、JTACがその誘導を引き継いで目標を指示し航空支援を実施する形です。ALOも同様にJTACの資格を持っていないとCleared HOTはできないので、ALOの中にはJTACの資格を取る人もいます。
CCTは別です、彼らはCCTの訓練課程で爆弾投下指示から航空管制まであらゆることができるように教育されます。またCCTの訓練課程はJTACの訓練課程とほぼ同じ内容が含まれているので、CCTの中にもJTACの資格を取る人がたまにいます(取らなくてもできることは変わらない)。

組織の話です。
ASOSは一般部隊ですのでSOCOMの指揮下にはありません。彼らは空軍の大元締めである航空戦闘軍団(Air Combat Command,ACC)に所属しています。
ACCはアラスカを除くアメリカ国内のほとんどの実戦部隊を管轄している司令部であり、戦闘飛行隊や救難飛行隊、偵察飛行隊などもこのACCの傘下にあります。
そしてACCの下でASOSなどの地上戦闘部隊を管理しているのが93rd Air-Ground Operations Wingになります。

この93d AGOWの下に1、3、4、18の各Air Support Operations Groupがあり、その隷下にほとんどのASOSが配置されています。93dの指揮下にない部隊もいくつかありますが、元をたどればすべてのASOSはACCの指揮下にあります。
各ASOSは部隊により担当する陸軍の師団や旅団が決まっており、例えば14th ASOSは第82空挺師団、10th ASOSは第1歩兵師団、20th ASOSは第10山岳師団などとなっています。これに従いASOSの所在地も担当する師団の本部が置かれている陸軍基地になります。
どのASOSがどの師団を担当しているのか詳しくはウィキペディアを見てください。

2011年にアフガニスタンでパトロールを行う陸軍第45歩兵旅団戦闘団と、彼らにアタッチする146th ASOS。ともに州兵。

陸軍部隊がアフガニスタンなどに派兵される際、その部隊を担当するASOSも共に派遣されます。上の写真の場合だと第45歩兵旅団と共に20名のJTACなどで構成するTACPが派遣されたそうです。

基本的に陸軍と行動するため、ASOSの隊員の装備は陸軍に準じていることが多いです。ACHヘルメットにIOTVやSPCSなどのプレートキャリア。服も空軍のABUかMASSIFなどのコンバットシャツを着用しています。
しかしはっきりとした違いもあります。まず味方から誰が空軍の隊員か分かる様にするため、JTACやTACPなどのパッチを必ず貼っています。また航空機と交信するためPRC-117Gを背負ったり、PRC-152や148を持っています。コムタックを装着していることも多いです。

2011年、第10山岳師団の第3歩兵旅団戦闘団に派遣された807th Expeditionary ASOSの隊員(右側)。左は第3歩兵旅団戦闘団長。陸軍と空軍という違いがあるにも関わらず2人の装備はあまり変わらない。

しかし最近は空軍特殊に引けを取らないレベルまで装備が進化しています。オプスコアのバリスティックヘルメットにCryeのコンバットアパレル、AVSやJPCにジャガーノートケースなど、一般部隊としては考えられないほど良い装備を使っています。これも統合作戦を進める上で地上と上空を繋ぐTACPの重要性が増してきたからだと思われます。
2016年にミシシッピ州ガルフポートで訓練を行う238th ASOS。真ん中右はマルチカムに塗装されたバリスティックにCrye G3のコンシャツ、CPCを着用。左はACのフィールドシャツにJPC。一番右の人はAOR1を着ていますが、何者だこいつ?238は州兵です。

以上です。アメリカ軍の統合作戦能力はかなり進んでいます。空軍の部隊が陸軍の基地に同居するなんて一昔前じゃ考えられませんでしたからね。それだけ航空支援は絶大な力を持ち、地上と上空を繋ぐASOSがいかに重要な存在かということが分かります。
ちなみに装備の話で言えばASOSの装備ってわりと楽なのではないでしょうか(やる人がいるかは置いといて)。最近の装備なら空軍特殊や陸軍特殊の装備を使いまわせますし、ちょっと前なら陸軍一般の装備にラジオとアンテナを揃えるだけ。あとはTACPかJTACのパッチを貼れば完璧です!()
というのは流石に雑ですが、実際アンテナやラジオを揃えればそれっぽくは見えます。装備のバリエーションとして一ついかがでしょうか。
  


Posted by POPE at 21:13Comments(2)部隊解説

2017年09月23日

Special Tactics Squadron

AFSOC隷下の実働部隊は主に2つに大別されます。1つはMC-130やAC-130、CV-22などの航空機を運用するSpecial Operations Squadron。もう一つがCCTやPJを擁し、地上部隊と共に行動するSpecial Tactics Squadronです。
今回はこのSpecial Tactics Squadronについて書きたいと思います。

Special Tactics Squadron、日本語で特殊戦術中隊と訳されます。略称はSTS。一個のSTSは120~150名ほどで編成されており、指揮官は少佐です。
任務は陸軍や海軍、海兵隊の特殊部隊に帯同(アタッチ)して航空支援や救命処置をすることです。ここで重要なのは「特殊部隊へのアタッチ」だということ。STSはAFSOC隷下の部隊であり、AFSOCはSOCOMの指揮下にあります。なのでSTSは基本的にODAやSEALsなどSOCOM隷下の特殊部隊にしかアタッチしませんし、また特殊部隊についていけるだけの技術と戦術を要求されることになります。じゃあ一般陸軍とかの航空支援は誰がやるのって話になりますが、彼らにはAir Support Oerations Squadronという部隊が派遣されます。それについてはまた別の機会に記事にします。

Fused Response 2014にて7th SFGにアタッチするSTSのPJ。

STSを構成するメンバーは戦闘航空管制官(Combat Control Team,CCT)、特殊戦術士官(Special Tactics Officer,STO)、戦闘捜索救難員(Pararescue Jumper,PJ)、戦闘捜索救難士官(Combat Rescue Officer,CRO)特殊作戦気象観測官(Special Operations Weather Technician,SOWT)です。STOとCROはそれぞれCCTとPJの士官クラスの隊員の呼称です。
なぜ空軍の部隊が派遣されるのか。それは他軍にはない特殊な技術を持っているからです。CCTは爆撃誘導だけでなく、戦闘地域に航空支援に来た航空機の管制や、前線に開設した飛行場での航空管制も行うことができます。またPJは全軍のメディックの中で一番高い医療技術を持ちます。日本では医療行為を誰がどこまでしていいのかは法律で厳格に決められていますが、それはアメリカでも同じです。同様にアメリカ軍内でも軍医以外の医療行為には規定があります。その中でもPJはODAや海軍のメディックより高度な医療行為をすることができる存在です。このように空軍にしかできない技術を他の特殊部隊に提供するのがSTSの役割なのです。

次に組織の話に移ります。フロリダ州ハルバートフィールドに拠点を置くAFSOCはその下に多数の航空団(Special Operarions Wing)を持ちますが、その中でも24th Special Operations Wingは多数のSTSを抱える航空団です。

24th SOWもハルバートフィールドに所在します。その下に2つのグループ、720th Special Tactics Groupと724th Special Tactics Groupがあります。

720th STGはこれも同じくハルバートフィールドに所在し、以下の5個のSTSを指揮下に置きます。


17th Special Tactics Squadron
本部:ジョージア州フォートベニング

2013年に前身であった17th Air Support Operations Squadronを改編して設立された部隊です。設立経緯が特殊なため17th STSにはCCTやPJがいなく、戦術航空統制班(Tactical Air Control Party,TACP)と航空連絡士官(Air Liaison Officer,ALO)、そしてSOWTで構成されています。
同じフォートベニングに本部を置く陸軍の第75レンジャー連隊に専属でアタッチする部隊です。というかSTSの中でも17thは異色すぎるのでまた別の記事で書きます。

2014年10月にカンザス州サライナで演習に参加する17th STS。


21st Special Tactics Squadron
本部:ノースカロライナ州ポープフィールド

ポープフィールドは陸軍のフォートブラッグに隣接する飛行場です。フォートブラッグには陸軍特殊作戦コマンド司令部と3rd SFGがいるので21st STSは3rd SFGへのアタッチが多いのではないでしょうか。

2015年4月にハルバートフィールドで行われたEmerald Warriorに参加する21st STS。


22nd Special Tactics Squadron
本部:ワシントン州ジョイントベース・ルイスマコード

アメリカ国内にいるSTSで唯一西海岸に本部を置く部隊です。
ジョイントベース・ルイスマコードは陸軍のフォートルイスと空軍のマコード空軍基地が合併してできた統合基地で、ここには1st SFGがいます。

2017年3月にエグリン空軍基地で行われたEmerald Warriorに参加する22nd STS。


23rd Special Tactics Squadron
本部;フロリダ州ハルバートフィールド

空軍特殊のメッカに所在するのは23rd STS。最近露出が多い部隊です。AFSOCのお膝元にいるせいかAFSOCにいいように使われている気がします。すぐ隣のエグリン空軍基地には7th SFGがいます。

2016年5月に当時のカーター国防長官がAFSOCを訪れた際に訓練展示を行う23rd STS。


26th Special Tactics Squadron
本部:ニューメキシコ州キャノン空軍基地

2014年に編成された一番新しいSTSです。もともとヨーロッパで7026th Special Activities Squadronとして活動していましたが、1992年に不活性化されました。
しかし昨今の統合作戦の増加及び特殊作戦部隊の需要の多さに応えて2014年に再活性化しました。
2014年4月にキャノン空軍基地で行われた再編成を記念する式典で部隊旗を手渡される26th STS。



724th Special Tacitcs Groupです。24th SOWの隷下にいますが、本部はノースカロライナ州ポープフィールドにあります。724th STGの指揮下には1個のSTSがいます。それが24th Special Tactics Squadronです。


24th Special Tactics Squadron
本部:ノースカロライナ州ポープフィールド

21st STSと同じくポープフィールドに本部を置いていますが、24th STSは他のSTSとは並列には語れません。
ポープフィールドに隣接するフォートブラックは陸軍特殊作戦コマンドの司令部があると同時に、統合特殊作戦コマンドの司令部があります。デルタとかDEVGRUが所属しているところですね。
そして24th STSもJSOCの指揮を受けます。つまりデルタ、DEVGRUにアタッチするガチモンの空軍特殊です。JSOCが実施するハイバリューターゲットの殺害や確保など、秘匿性、重要性が非常に高い作戦に空軍の能力を提供するのが彼らの任務です。
古くは1993年のモガディシュの戦闘に参加しており、2011年のビンラディン殺害作戦の際にもDEVGRUに負傷者が出ることを想定して上空で待機していたと言われています。また悲しいことに2011年8月にアフガニスタンでチヌークが撃墜された際、同乗していたDEVGRUやアフガン兵と共に24th STSも3名の隊員を失っています。

さすがに最近の画像はありませんでした。デルタとかと同様に秘匿性が高いのが一つの理由でしょう。もう一つの理由としてはアタッチする部隊とほぼ同じ装備を支給されるため、デルタやDEVGRUの隊員なのか、それともアタッチした24th STSの隊員なのか画像から識別しにくいというのがあると思います。
(2018年8月4日追記)ありました。なんかWikipediaに上がっていたのを辿ったらありました。
2014年4月にホロマン空軍基地で行われたAdvanced Guardに参加する24th STSの隊員。GPNVGみたいなの見えるんですけど気のせいですか。あとロープ降下している隊員が持っているの416じゃないだろうな…?



352nd Special Operations WingはAFSOC隷下の航空団の一つです。イギリスのミルデンホール空軍基地に所在しています。
AFSOCの指揮下にあると同時にアメリカ欧州軍、欧州特殊作戦軍(SOCEUR)の指揮下にもあります。この352d SOWはMC-130やCV-22を運用する飛行隊とともに1個のSTSを隷下に置いています。



321st Special Tactics Squadron
本部:イギリス、サフォーク州ミルデンホール空軍基地

海外に駐留する2個のSTSのうちの1個です。最近ロシア関係でヨーロッパがきな臭いので露出が多くなっています。
ドイツに10th SFGの第一大隊が、それ以外にも欧州諸国の特殊部隊と共同で訓練していたりします。

2017年8月にエストニアで道路にA-10を着陸させる321st STS。(ちなみにこの訓練でA-10が道路標識折ってしまったそうです…。)



353rd Special Operations Groupは沖縄県嘉手納基地に本部を置く特殊作戦群です。こちらもAFSOCと同時にアメリカ太平洋軍、太平洋特殊作戦軍(SOCPAC)の指揮も受けます。ここも同様に1個のSTSを保有しています。



320th Special Tactics Squadron
本部:日本、沖縄県嘉手納基地

日本に所在するSTSです。この前の横田フレンドシップデーでも話題になりましたね。
同じく沖縄県には1st SFGの第一大隊が駐留しています。またオーストラリアなど太平洋軍の管轄内で行われる演習にも参加しているのが確認されています。

2017年3月に沖縄で海兵隊ANGLICOと共に訓練を行う320th STS。


以下2つのSTSは空軍州兵、ナショナルガードのSTSです。

123rd Special Tactics Squadron
本部:ケンタッキー州ルイビル国際空港

2017年3月にオクラホマ州フォートシルで訓練を行う123rd STS。


125th Special Tactics Squadron
本部;オレゴン州ポートランド国際空港

2017年4月にポートランド空港でMH-60と共に訓練を行う125th STS。

以上です。STSは部隊数こそ多くありませんが、彼らこそが空軍の特殊作戦能力の一翼を成す重要な戦力です。STSはすごいんだぞ、っていうのが分かっていただければ幸いです。
それにしても空軍の部隊エンブレムってカッコイイですよね。
  


Posted by POPE at 18:56Comments(0)部隊解説