2017年11月24日
要人警護
寒い。本格的に冬です。
せっかく買ったPCUとか着ようと思うんですけど、どう考えても肩にベルクロがあるものを普通の防寒着と言うのは無理がありますよね。
PCUのLevel3のフリースとかは普段使いできそうだなと思うんですけど、Level3とは言えやっぱり高い。そもそもミリタリーの服を普段使いしようというのが無謀です。大人しくユニクロのフリースでも着ましょう。
今月頭にトランプ大統領がアジアを歴訪しました。トランプ大統領を護る車列の動画とか見ましたけど、いつ見てもあの車列は圧巻です。SPのレクサス警護車とかシークレットサービスのシボレーとかカッコイイ。あの重厚感がたまらないですね。
トランプ大統領は日本の他に韓国、中国、ベトナム、フィリンピンを訪問したそうです。韓国では北朝鮮との境界線、DMZまでサプライズで視察しようとしましたが、悪天候で断念したそうです。
はい、シークレットサービスの話ではありません。シークレットサービス装備ってハードル高そう…。
こちらの写真をご覧ください。(今回の記事の写真は軍公式から出たものではないので一応加工しています。)
AFP通信が報じた写真です。
チヌークの機内から撮影されたようで、陸軍の隊員とシークレットサービスのCounter Assault Teamの隊員が写っています。
ですが、よく見ると真ん中にマルチカムをのプレキャリを着たお兄さんが写っていますね。これは…?
次の写真です。
これはAP通信から。同じくチヌークの機内からの撮影です。こちらも2人マルチカムのプレキャリを着たお兄さんが。
なんか怪しいなと思って他の写真を漁ってみました。そしたらありました、かなり高解像度の写真が。
こちらです。
確かロイターが報じた写真です。ばっちり写っていますね。ソウル南方の龍山基地で撮影された写真です。詳しく見ていきましょう。
一番右の隊員はマリタイムにCrye AVS、TSSI M9メディックパックを背負っています。AVSの横にはBFGのTen Speedのマガジンポーチにスモークグレネードかフラッシュバンを入れているような気がします。銃はMk18 mod1と6354DOに入れたグロックです。グロックにはランヤードを付けているように見えます。
真ん中の隊員はマリタイムにComtac、PVS-31。コヨーテのJPCにKDUとTen Speedポーチを装着。というか、マガジンポーチを2段重ねにしている?腰にはTYRのピストルマグポーチ、ダンプポーチ、ペツルのラペリンググローブ、サイリウムをぶら下げています。銃はこちらもMk18 mod1。背中はOutdoor Researchのバックパックからアンテナを生やしています。
…どう考えてもODAです、ありがとうございました。
一番左はCATの隊員でしょう、背中のパッチにシークレットサービスって書いてあります。
黒のバリスティックにこちらもPVS-31。肩にパッチを貼っているので恐らく黒のコンシャツ、キャリアも黒。LEって感じが溢れます。
つまり、シークレットサービスと陸軍ODAの合同警護なのです。
報道によるとトランプ大統領はソウルのホテルから龍山基地まで移動し、そこからヘリでDMZに向かったそうです。このヘリというのがプレジデントホーク。それに随伴したのが2機のチヌークですが、このチヌークにCATとODAが乗っていた模様です。残念ながら引き返しましたが。
右の隊員が恐らくメディックということを考えると、想像が膨らみますね。シークレットサービスのメディックや大統領専属の医者はいるのでしょうが、いざ事が起こった時に彼らが前線に出られない場合、後は警護要員の救命処置の任務なんかもあったのではないでしょうか。
実はODAによる大統領の警護は過去にも事例があります。
下の写真は2016年にオバマ大統領がベトナムを訪問した時の写真です。
JPCやAVSにマリタイムヘルメット、ラペリンググローブや6354DOホルスターなど、これもODAの隊員なのはほぼ確実でしょう。真ん中の隊員なんてコムタック4を使っています。
これは2015年にオバマ大統領がフィリピンを訪問した時の写真。AVSを着ている隊員がODA、他の黒い隊員はCATでしょう。
いずれの写真でもシークレットサービスの隊員はPOLICEのパッチを付けているのでわかりやすいですね。
これらのODAは管轄から考えて全部1st SFGでしょう。それも恐らく沖縄にいる第一大隊だと思います。CIFも出張っている可能性が高いので、1/1なのはほぼ確実だと言えます。
見たところ(韓国のを除いて)普通の市街地でM4振り回していますが、色々大丈夫なんですかね?
では次の話題へ。下の写真はトランプ大統領が韓国の後、中国を経由してベトナムを訪問した時に撮影された写真です。
私服にプレキャリを着てでかいキャリーバッグを運んでいる人がいます。
ええ、話の流れからまたODAだと思った方も多いでしょう。しかしよく見てみるとキャリアはEAGLEのSPCですね。ほう…?
こちらの写真では優雅にコーヒーカップを持っています。
左の人が抱えているのはARCレイル付きのMICH2000のようです。その長いバッグにはいったい何が入っているんだろうなあ(棒)。
こちらも私服にプレキャリのお兄さんたちが写っています。右の方はMCPC、左の方は恐らくコヨーテのJPC。
はい、もうお分かりでしょう。彼らの右腰に吊っている拳銃がM45A1ということが決定的ですね。
彼らは十中八九フォースリーコンです。SPCやMCPCを着用してM45を使っている部隊なんてフォースリーコンしかありません。レイダースはGlock19に更新した上にMCPCとかの使用例はないので。
ではどこの部隊かという事なんですが、次の画像をご覧ください。
左の隊員の右腰をアップで写した画像です。Safarilandの6004SSホルスターにM45A1を入れているのがばっちり分かります。
問題はこの隊員のモールベルト。海兵隊にはあまり詳しくないんですが、どうもこのモールベルトは沖縄オードナンス製らしいのです。
沖縄にいるフォースリーコンと言えば31st MEUしか考えられません。31st MEUのMRFでしょう。
2016年のベトナムはODAでしたが、今年はフォースリーコンだったみたいですね。
フォースリーコンも要人警護の事例があります。
ツイッターから拝借したので場所、年代ともに分かりませんが、フォースリーコンの要人警護の時の写真らしいです。
よく見ると左側や真ん中の隊員達がM27を持っていますね。ヘルメットがMICH、PVS-15、M45とフォースリーコンの要素が多くあります。
ど真ん中にいる隊員はPOLICEパッチが付いているのでCATの隊員でしょう。
どの写真も軍の隊員は上は黒いシャツ、下はカーキやタンといったデザート系のパンツと統一されています。恐らく要人警護の際に、警護要員を識別しやすくするために服装の規定があるんでしょう。
それにしても私服プレキャリはカッコイイですね。LE界隈とかで私服にプレキャリの装備は人気ですが、軍もこのように警護任務や非対称戦を想定した訓練では私服装備をすることがあります。上がシャツだけなせいで筋肉をつけないと再現できませんが…。
とまあこのように大統領が外遊する際の警護はシークレットサービスだけでなくODAやフォースリーコンも参加することがあるんだぞ、というお話です。そういえばアフガンとかでもDEVGRUがカルザイ大統領を警護した有名な写真がありました。
日本や他の先進国でこう言った光景が見られなかったのは、やはり治安の良さと警察の警備能力の高さ故でしょう。もちろん横田とか座間とかに待機はしていたと思いますけど。韓国でもDMZに行くというサプライズがなければ出てくることはなかった気がします。
シークレットサービスの隊員も十分精強ですが、特に韓国ではいざ不測の事態が起こった時最終的に対応することになるのは軍ですからね。そうなった場合に備えて大統領周辺と軍との臨時のリエゾンの役目も負っていたんでしょう。
装備の再現は筋肉という問題を解決すればかなり楽だと思います。黒いTシャツにカーキのカーゴパンツを用意すればいいだけですからね!()
市街地のロケーションだとLEに負けないくらい映えると思います。まずは筋トレをしましょう。
ところで11月のソウルってかなり寒い気がするんですが、半袖Tシャツなんかで大丈夫ですか…?
Posted by POPE at 17:21│Comments(0)
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